今回は超アナログな道具のお話です。
文具屋さんに行って色々と物色していたらシャーペンコーナーで店員さんに
「スマッシュ入荷してますよ!」
といきなり声を掛けられました。
お、おぅ?別に僕シャーペン買いにきたわけじゃないんだけど…。
商品名に聞き覚えはあったので一応手にとってみたのがこちら。
▲ぺんてるの「スマッシュ」です。
あ〜これ知ってる!懐かしい!と思って眺めてたら店員さんがまた一言。
「次いつ入荷するかわかりません!!今のうちですよ!」
と。え???これって今そんなに人気あるんですか?昔からあるけど今更?
そもそもこれを買いに来た訳ではないしシャーペンコーナーも流れで眺めてただけだし色々と疑問はありましたが気になったので結局他の物と合わせて購入。帰宅して早速調べてみました。
※2019/3/22追記
▼スマッシュの0.3mmが復刻されました!限定カラーも登場です。▼
1986年発売のシャープペンシルが何故か人気商品に!
調べてみたら約30年前に発売されたにも関わらず本当に人気商品になってるみたいです。
高価格帯のシャープペンシルが近年人気があるとは聞いていましたがまさかここにスマッシュまで加わっているとは…。
なるほど。中高生を中心にブームとなったんですね。上のNIKKEI STYLEの記事にもあるように、人気YouTuberであるはじめしゃちょーの動画が起爆剤のようです。
YouTuberの影響力ってすごい…。
また、メーカーも機を逃さずにLoftなどとコラボした限定カラーや復刻カラーを数量限定で次々と投入したことも人気の秘密でしょうか。
そんなに人気ってどんなシャーペンなの?
大人気のYouTuberが動画で紹介したからってそれだけでこんなに長くヒットする訳がない!…と思うのですが果たしてどうなのでしょう。早速見ていきます。
限定カラーではない一般モデルです。オールブラックのカラーに赤でロゴというなかなかクールなデザインです。一般事務用のいかにもな安っぽさは皆無。1987年にはグッドデザイン賞も受賞。デビューから現在まで一度も仕様変更していないそうです。
デビューが昭和とは思えない。
スマッシュのデザインで一番特徴的なのが口金(先っちょの円錐形の部分)からグリップにかけての部分。
もし今近くに自分のシャーペンがあったら見てみてください。口金とグリップ部分は別々に作られていませんか???
この口金とグリップがスマッシュは一体成型されています。これは書いている途中に口金が緩んで書きにくくなってしまうことを防ぐための造りになっています。
そしてこの口金〜グリップにかけては真鍮製(グリップのツブツブはシリコンゴム)なのですが、物凄くマットな質感で一見ラバー製かと思うほどです。
このスマッシュは同じぺんてるのロングセラー製図用シャーペンである「グラフ1000」(写真下。こっちは持ってた。)の一般筆記用モデルとして開発されたそうで、製図用シャーペンと同じメカ機構を搭載しながらも口金〜グリップ部に見られるような耐久性を重視した設計になっています。
ノック部分も珍しい蛇腹のようなデザインです。確かラミーにもこういうのありましたね。このノックボタン、10万回のノックに耐えられるように作られているそうです。こだわりが半端ない。
持った感じはスマッシュの方が重く感じます。仕様を見るとその差たったの2gmですけどそれ以上に感じますね。重心の違いでしょうか。
グリップもしっかりしていて滑りません。製図用によくあるヤスリみたいな滑り止めではないので長時間の筆記にも向いていると感じました。
シャーペンで1000円って高いと思う人もいると思うんですけどこの造りなら納得です。むしろ安いかも。
せっかくなので手持ちの最高級シャーペンと比較してみた
ここまで作り込まれていて1000円とは確かに売れる訳です。Amazonのランキングにも納得。中高生が気軽に買える価格帯でこの完成度ですもんね。
こうなると他の高級シャーペンと並べて比較してみたくなります。
という訳で並べてみました。
写真左がドイツの誇る筆記具メーカーRotring(ロットリング)の高級製図用シャーペン「rotring 800」です。
定価はなんと7000円(スタイラス付きの800+は8000円)。
我ながら何で買ったのか覚えてませんが大事に使っています。
並べてみると形状はともかく黒地に赤のロゴなどカラーリングは似ていますが材質などは大きく違います。rotring 800は六角軸の完全なメタルボディで、持ち比べてみるとかなりズッシリ。
機構にも工夫があります。
上の写真ではペン先は引っ込んでますが、
ノックボタンの下、指で触れている部分を回すと…
ニョキッとペン先が出てきます。
元々そんなに貧弱な造りはしてませんけど、ペン先をしまえることで高い所からとかコンクリートとかに落下した時の破損から守ってくれます。
その他にもゴールドの塗装など高級感が感じられる箇所がチラホラ。
でもグリップはヤスリの様です(笑)
機構、材質、装飾では確かに明確な差があり、価格が高いだけのことはあります。所有感もなかなかのもの。ただし書き心地に関してはどちらも一長一短です。
一般筆記用、製図用とそれぞれ目的が違います。普通に文字を書くならスマッシュの方が向いていると思います。
製図や描画なら間違いなくrotring 800です。ガイドパイプ(先端の細い金属パイプ)も一切ぐらつきません。精度を求めるならこちらです。
しかしこのクラスのシャーペンも最近の中高生は平気で買っていくといいます。こんなの持ってたら間違いなく学校でヒーローですね(適当)。ご子息やご親戚にいかがでしょうか。
まとめ:人気になるのも頷ける日本メーカーの文具の良さ
今回調べてみてわかったのは、ブームと言ってもただ皆が使っているからという理由だけではなくて、スマッシュ自体のデザインの良さやしっかりと作り込まれた品質の良さによって裏打ちされた人気だということです。
約30年間ずっと同じ1000円という価格でこの品質の文具を提供している日本メーカーは素晴らしいと素直に思いました。海外メーカーとかなら平気で3000円くらいの値段つけそう。
社会人になるとシャーペンってあまり使わなくなるんですけどまた興味が出てきてしまいました(^_^;) ぺんてるは他にも超品薄の「オレンズネロ」なるシャーペンもあるようですし…。
こちらも手作業の工程が多くひと月に生産可能な本数が限られていてプレミア化しているようですが、ぜひ手に入れてみたいところです。
▼廃番となっていたスマッシュの0.3mmが復活しました!3色の限定カラーも登場です。
▼スマッシュ以外にもおすすめのシャープペンシルについて厳選してまとめてみました。こちらの記事もぜひどうぞm(_ _)m
本日はここまで読んでくださりありがとうございました!